ネットワークHDD(NAS)の間違いない選び方!
みなさんはNASを正しく選んで購入されていますか? ご使用されているNASを思い浮かべて、今故障したと考えたらデータは大丈夫と言い切れますか?
今回は、正しいNASの選び方(構築の仕方)を順を追って学んで頂ければと思います。 この記事を最後まで読んで頂くと下記のことが分かります。
- NASの正しい構築の考え方
- コストパフォーマンスに適した考え方
- 必要な機器構成の知識
データ保証の重要性
みなさんは、NASに何を求めますか?
アクセススピードですか? それとも機能の多さですか?
それらも大切ですが、一番重要なことは「如何にデータが保証されるか」ではないでしょうか?
NASはデータの保管所なので、データが消えてしまうことを何より恐れておく必要があります。
そこをどれだけ掘り下げて考えられているかが、非常に重要なポイントとなります。
コストパフォーマンスの重要性
みなさんは、NASにどれだけお金をかけることができますか? 質問が連続してすいません。
お金に糸目をつけない方は、読み飛ばして問題ありません。
ほとんどの人が「お金をあまりかけたくない」けれども「データ保証はしておきたい」と言う人がほとんどではないでしょうか?
今回は、「データ保証」を重視しつつも「低コスト」を重視した構成を考えていきます。
間違ったNAS選び
NASを購入するにあたって、下記に当てはまっていませんか?
- NASはRAIDを組んでいれば大丈夫!
(※RAIDとは、1つのHDDが壊れても他のHDDからデータの復旧ができる仕組みのこと。) - メーカーブランドがしっかりしているから大丈夫!
- 内蔵されているHDDの故障率が低いから大丈夫!
- NASは高い物を選んでいれば大丈夫!
正しくは、これらのことを「複合的に考えれていないから」間違いなのです。
もし当てはまっていた場合は、この機会に見直してみませんか?
NASを選ぶ上で重要なこと
では、どのように選べばよいのでしょうか?
下記のように、4つの工程で考えていきます。
それぞれを個別に解説していきます。
①故障率を減らす構成
停電・過電流・コンセント抜けを想定する
まずは、故障する可能性を減らすことが非常に大切ですね。 故障をしなければ、データが消える可能性が減ります。
私は仕事で障害対応をしていますが、小さい会社さんですとか、自宅・マンションで使う場合には、壊れ方に癖があります。
台風の季節は、落雷による故障が多くなります。 そして落雷することにより、停電してしまったり、過電流による基板故障がおきてしまうのです。
では、どうするのかというと、UPS(無停電装置)を構成に加えます。 こんなような装置です。
UPS(無停電装置)は、機械の中にバッテリーが内蔵されています。 背面はこんな感じです。
そしてNASの電源ケーブルを、この装置を経由して接続します。
そうすることで、停電などで元の電源供給がストップしても、一定時間は電源を保つことが出来ます。
その通りなんですが、元電源の供給が切れると、NASへ信号が送られて、自動でシャットダウン処理をしてくれます。 正しいシャットダウンを行ってくれるので、故障を回避できるというわけです。
信頼性の高い製品の選択
NASに使われている「HDD」にも、信頼性の高い物と低い物があるのをご存じでしょうか?
NASは、外カバーに覆われていて、中のHDDは見えませんが、メーカーのページでHDDの情報が公開されている場合があります。
とはいえ、このあたりも複合的に「備え」が考えられていれば、信頼性が低くてもかまいません。
②HDD故障に備える
ここからはHDDが故障した場合を想定します。
機械ものなので、当たりはずれはありますが、HDDの故障はよくある話です。
また数年ほど使っていると、HDD内から異音がして故障に至るということもありますね。
そして、ここからが大事なのですが、RAID用HDDをいくつ積むかによって価格帯が大きく変わります。
なんならバックアップ構成次第ではRAIDなしでも大丈夫です。
確かにRAID用HDDが多い方が、バックアップも多く残せておいたり、データ分散・故障率の分散につながります。
そうなると修理に時間を要しますし、仕事がストップすることも考えられます。
HDDの個数を多くするよりも「NAS以外の他の場所にバックアップを取ること」にコストをかけた方が良い場合もあるのです。
次項では、そのあたりを考えます。
③基板・電源の故障に備える
機械ものなので、基板・電源・ケーブル類・ファンも壊れて当然ですよね?
違う場合は、認識を合わせておく必要があります。
早いか遅いかは分かりませんが、そのうち壊れてしまうのです。
基本的には、メーカーに修理依頼をすることになります。
そのように考えると、別の装置にも保存しておいた方が良いですよね?となります。
ここでは、それが何か?と言うお話です。
外付けHDDへバックアップを取る
多くのNASでは、外付けUSBHDDにバックアップを保存することが可能です。
「1つは同期用」、「2つ目は1週間ごとのバックアップ用」、「3つ目は月単位のバックアップ用」など使い分けも可能です。
NASからNASへバックアップを取る
NASからNASへバックアップを取ることも出来ます。
この場合のメリットは、「全く中身の同じNAS」を常に作っておくことが出来ます。
そうすれば、片方が壊れても、もう片方で動作させることが可能です。
これを一般的に「レプリケーション」と呼びます。
④別の場所へ備える
では今度は、NASや外付けHDDが災害で浸水し、水没してしまったらどうしましょうか?
しかし一般的に考えると、データは全滅です。
もう一つは、クラウドへ保存するという選択肢があります。
それを利用すると、企業のサーバーにデータを保管できるのです。
そうすれば、全く別のところに保存されていることになるので、NAS一式が水没してもデータは確保されます。
この機能も必要に応じて検討しましょう。
検討材料のまとめ
これまでに挙げた検討材料をまとめます。
検討材料 | 必ず押さえたい点 | 加えてあると良い点 | |
1 | UPS(無停電装置)を構成に入れる | 〇 | |
2 | 信頼性の高いHDDを検討する。 | 〇 | |
3 | RAIDは、全体的な構成を考えて選択する。 | 〇 | |
4 | 外付けHDDか別のNASへバックアップを取る。 | 〇 | |
5 | USBメモリなどで別の場所へ保管する。 | 〇 | |
6 | クラウドへデータを保管する。 | 〇 |
おすすめ構成
今回は「必ず押さえたい点」を抑えたNASの構成をまとめましたので、下記の記事を参照下さい。
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