ネットワークHDD(NAS)の間違いない選び方!

ネットワークHDD(NAS)の間違いない選び方!

みなさんはNASを正しく選んで購入されていますか? ご使用されているNASを思い浮かべて、今故障したと考えたらデータは大丈夫と言い切れますか?

 

  今回は、正しいNASの選び方(構築の仕方)を順を追って学んで頂ければと思います。   この記事を最後まで読んで頂くと下記のことが分かります。

  1. NASの正しい構築の考え方
  2. コストパフォーマンスに適した考え方
  3. 必要な機器構成の知識

 

データ保証の重要性

みなさんは、NASに何を求めますか?

 

アクセススピードですか? それとも機能の多さですか?

 

それらも大切ですが、一番重要なことは「如何にデータが保証されるか」ではないでしょうか?

 

NASはデータの保管所なので、データが消えてしまうことを何より恐れておく必要があります。
そこをどれだけ掘り下げて考えられているかが、非常に重要なポイントとなります。

 

コストパフォーマンスの重要性

みなさんは、NASにどれだけお金をかけることができますか? 質問が連続してすいません。

 

お金に糸目をつけない方は、読み飛ばして問題ありません。

 

ほとんどの人が「お金をあまりかけたくない」けれども「データ保証はしておきたい」と言う人がほとんどではないでしょうか?

 

今回は、「データ保証」を重視しつつも「低コスト」を重視した構成を考えていきます。  

間違ったNAS選び

 

デメリット

NASを購入するにあたって、下記に当てはまっていませんか?  

 

  1. NASはRAIDを組んでいれば大丈夫!
    (※RAIDとは、1つのHDDが壊れても他のHDDからデータの復旧ができる仕組みのこと。)
  2. メーカーブランドがしっかりしているから大丈夫!
  3. 内蔵されているHDDの故障率が低いから大丈夫!
  4. NASは高い物を選んでいれば大丈夫!

 

実はこれらは、誤った考え方です。

 

正しくは、これらのことを複合的に考えれていないから」間違いなのです。

 

もし当てはまっていた場合は、この機会に見直してみませんか?

 

NASを選ぶ上で重要なこと

では、どのように選べばよいのでしょうか?

 

下記のように、4つの工程で考えていきます。

NASを選ぶ4つのポイント

それぞれを個別に解説していきます。  

①故障率を減らす構成

停電・過電流・コンセント抜けを想定する

NAS停電

まずは、故障する可能性を減らすことが非常に大切ですね。 故障をしなければ、データが消える可能性が減ります。

 

私は仕事で障害対応をしていますが、小さい会社さんですとか、自宅・マンションで使う場合には、壊れ方に癖があります。

 

それは、ブレーカー落ちや落雷や停電による故障です。

 

台風の季節は、落雷による故障が多くなります。 そして落雷することにより、停電してしまったり、過電流による基板故障がおきてしまうのです。

 

また計画停電にしても、予め電源を切っておけばよいのですが、NASって切り忘れることが多いんです。

 

では、どうするのかというと、UPS(無停電装置)を構成に加えます。 こんなような装置です。

UPSAPC

 

UPS(無停電装置)は、機械の中にバッテリーが内蔵されています。 背面はこんな感じです。

APC BR1000S-JP背面

そしてNASの電源ケーブルを、この装置を経由して接続します。
そうすることで、停電などで元の電源供給がストップしても、一定時間は電源を保つことが出来ます。

 

でも、一定時間もつだけじゃぁそのうち切れてしまうでしょ? と思うかもしれませんが、その通りです^^;

 

その通りなんですが、元電源の供給が切れると、NASへ信号が送られて、自動でシャットダウン処理をしてくれます。 正しいシャットダウンを行ってくれるので、故障を回避できるというわけです。

 

価格帯も10,000円~30,000円で構成に加えることが可能です。

 

信頼性の高い製品の選択

NASに使われている「HDD」にも、信頼性の高い物と低い物があるのをご存じでしょうか?

 

要は、壊れにくさの違いです。

 

NASは、外カバーに覆われていて、中のHDDは見えませんが、メーカーのページでHDDの情報が公開されている場合があります。

 

たとえば、「Western Digital(ウエスタンデジタル)」製のHDDは信頼性が高いものとなります。

 

とはいえ、このあたりも複合的に「備え」が考えられていれば、信頼性が低くてもかまいません。

 

要は、全体的な構成次第なのです。

 

NAS故障率を減らすには?

 

②HDD故障に備える

ここからはHDDが故障した場合を想定します。

 

みなさんはパソコンのHDDが壊れたことはありますか?

 

機械ものなので、当たりはずれはありますが、HDDの故障はよくある話です。
また数年ほど使っていると、HDD内から異音がして故障に至るということもありますね。

 

そこでNASの世界には、RAIDという機能があります。

 

RAIDとは、複数のHDDにデータを書き込んでおき、どれかが壊れても他のHDDからデータが復旧できる仕組みです。 また、RAIDにも種類が存在しますが、今回は端折ります。

 

そして、ここからが大事なのですが、RAID用HDDをいくつ積むかによって価格帯が大きく変わります。

 

要は、RAID用HDDの個数が多いほど高価です。

 

では、多い方が良いの? と思われがちですが、決してそうではありません。

 

実はHDD2個でも全く問題ありません。
なんならバックアップ構成次第ではRAIDなしでも大丈夫です。

 

確かにRAID用HDDが多い方が、バックアップも多く残せておいたり、データ分散・故障率の分散につながります。

 

ところが、HDD以外の基板や電源が壊れてしまったらどうなるのでしょうか?

 

そうなると修理に時間を要しますし、仕事がストップすることも考えられます。

 

HDDの個数を多くするよりも「NAS以外の他の場所にバックアップを取ること」にコストをかけた方が良い場合もあるのです。

 

次項では、そのあたりを考えます。

 

NASのHDD故障に備える

 

③基板・電源の故障に備える

機械ものなので、基板・電源・ケーブル類・ファンも壊れて当然ですよね?

 

みなさんはこの認識は持っていますか?

 

違う場合は、認識を合わせておく必要があります。

 

早いか遅いかは分かりませんが、そのうち壊れてしまうのです。

 

では、仮に基板や電源が壊れてしまうと、どうなるのでしょうか?

 

基本的には、メーカーに修理依頼をすることになります。

 

そうなるとNASを送る時間や修理期間が必要となり、1週間~2週間またはそれ以上かかる場合があります。 当然、その間の仕事が止まってしまいます・・・。

 

そのように考えると、別の装置にも保存しておいた方が良いですよね?となります。
ここでは、それが何か?と言うお話です。

 

外付けHDDへバックアップを取る

多くのNASでは、外付けUSBHDDにバックアップを保存することが可能です。

NASにUSBHDDを接続する

 

近年では、容量に対して価格が非常に安くなっているので、これを使わない手はありません。

 

また、外付けHDDを3つくらい接続できるNASもあります。
「1つは同期用」、「2つ目は1週間ごとのバックアップ用」、「3つ目は月単位のバックアップ用」など使い分けも可能です。

 

NASからNASへバックアップを取る

NASからNASへバックアップを取ることも出来ます。

 

この場合のメリットは、「全く中身の同じNAS」を常に作っておくことが出来ます。

 

そうすれば、片方が壊れても、もう片方で動作させることが可能です。
これを一般的に「レプリケーション」と呼びます。

 

ところが、もう1台NASが必要なので、コストが上がります。

 

NASからNASへバックアップ、レプリケーション

 

基板電源の故障に備える

 

④別の場所へ備える

では今度は、NASや外付けHDDが災害で浸水し、水没してしまったらどうしましょうか?

 

もしかしたら、運が良くてNASのデータを復旧できるかもしれません。

 

しかし一般的に考えると、データは全滅です。

 

では、「この場合の」バックアップはどのようにするべきでしょうか?

 

その答えとしては、全く別の場所へ保存しておきましょう。となります。

 

例えば、USBメモリに保存して家へ持って帰るでもいいんです。時間と手間がかかってしまいますが。

 

もう一つは、クラウドへ保存するという選択肢があります。

 

One DriveやBoxって聞いたことはありますか? まさにそれのことです。

 

それを利用すると、企業のサーバーにデータを保管できるのです。

 

そうすれば、全く別のところに保存されていることになるので、NAS一式が水没してもデータは確保されます。  

 

実は近年のNASは、クラウドへデータを保存するという機能が搭載されています。

 

この機能も必要に応じて検討しましょう。

 

別の場所へ備える

 

検討材料のまとめ

これまでに挙げた検討材料をまとめます。

 検討材料必ず押さえたい点加えてあると良い点
1UPS(無停電装置)を構成に入れる 
2信頼性の高いHDDを検討する。 
3RAIDは、全体的な構成を考えて選択する。 
4外付けHDDか別のNASへバックアップを取る。 
5USBメモリなどで別の場所へ保管する。 
6クラウドへデータを保管する。 

 

おすすめ構成

今回は「必ず押さえたい点」を抑えたNASの構成をまとめましたので、下記の記事を参照下さい。

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