Wi-Fi6とは? 分かりやすく解説

この記事について 【Wi-Fi6とは? 分かりやすく解説】

この記事では、Wi-Fi6(わいふぁいしっくす)について下記のことをまとめています。

・Wi-Fi6とはどういうもの?
・Wi-Fi6ってなにがいいの?
・Wi-Fi6にも落とし穴がある

 

Wi-Fi6とは?

Wi-Fi6とは「Wi-Fi規格の6世代目」という意味があり、正しい規格名は「IEEE802.11ax」となります。
一般的には「Wi-Fi6」の愛称が使われることが多く、5Gや動画の視聴にともなって一気に普及した感じがありますね。

 

Wi-Fiの歴史は1997年から20年以上かけて進化を遂げてきました。当時は機器の値段が高いわりに速度が遅いという問題がありましたが、年々高速になってきておりWi-Fi6では9.6Gbpsにまで向上しました。

<Wi-Fiバージョン一覧>
Wi-Fi6とは?

 

Wi-Fi6の特徴をわかりやすく解説

<最大の特徴は?>

いきなりですが、Wi-Fi6の最大の特徴は「データ通信の処理効率が非常に優れている」点です。いわゆる「スループット」と呼ばれますが、これが結果的に高速通信につながっていると言えます。

 

Wi-Fi6は、速度が速くなっていますのでそこに注目されがちですが、それ以上に「同時接続」や「データの運び方」が非常に優秀です。

 

例えば、自宅でお父さんがパソコンで仕事していて、子供2人はタブレットで動画を見ており、さらにお母さんは、スマフォで調べものをしている状況だとします。

このように
・「同時」に
・「複数の端末」で
・「大容量のデータ通信
が発生する場面には、最適です。

ではこれらの機能を詳しく見ていきましょう。

 

<① 速度が速い>

Wi-Fi6は、Wi-Fi5と比べて1.4倍ほど最大通信速度が速くなっています。

Wi-Fi6とは?

 

とはいえこれらは理論値となりますので、実際は使用する環境(干渉や建物の構造)によって変化します。
また上記の速度は5GHz帯を使用した場合に限ります。

 

<② 通信効率が良い>

下記の図をご覧ください。左が旧Wi-Fiで、右がWi-Fi6の通信方法です。

OFDMとOFDMAの違い

左の図の特徴としては、「1回で1端末ずつしか」データが送れないので、他の端末への通信は順番待ちをしなければなりません。

また、運べる量に空きがあったとしても、宛先の違うデータは残念ながら一緒に積むことは出来ません。ちなみにこの方式を「OFDM」と言います。

ところが右の図(Wi-Fi6)では、「1回で複数の端末」に運べる上に、積めるだけデータを積むことができます。

これにより飛躍的に効率を向上させることができます。ちなみにこの方式を「OFDMA」と言います。

トラック運送のようにたくさん荷物を積んで周るのと同じですね。

 

<③ 同時に送受信ができる>

下記の図をご覧ください。左が旧Wi-Fiで、右がWi-Fi6の通信方法です。

MU-MIMOイメージ図

左の図の特徴としては、ルーターから端末へは
・「送信が4つ同時」に行うことができ、
・「受信は1つ」行うことができます。

ところが、右の図(Wi-Fi6)を見て頂くと、
・「8台同時に送受信」が行えます。

 

上記のとおり、Wi-Fi5よりもWi-Fi6の方が格段にパワーアップしていて、接続台数が増えても怖くありません。
これは「MU-MIMO」(えむゆーまいも)という機能で、2.4GHz帯でも効果があります。

 

<④ 省エネ機能がついている>

Wi-Fi6では、通信を行っていない時に消費電力をおさえる機能が付いています。

 

無線親機と端末で同期を取り、スリープモードに移行することができます。
スマホのバッテリー節約になりますので、ぜひ利用したい機能です。
この省エネ機能を、「TWT(Target Wake Time)」と言います。

 

<⑤ セキュリティが強化されている>

Wi-Fi5では接続(ハンドシェイク)する際の弱点が見つかっているので、データが盗みとられる可能性がある程度発生します。

 

ところがWi-Fi6では、簡単なパスワードでも強力な暗号化が行うことができるWPA3という暗号化方式を使用していますので、安全な接続ができます。

 

Wi-Fi6の落とし穴

良い事ばかりに聞こえるWi-Fi6ですが、注意しておかなければならないことがあります。

<Wi-Fi6対応モデルを使用すること>

「無線ルーターのみ」や「端末のみ」をWi-Fi6に対応させても、機能を最大限に引き出すことはできません。
原則、両方ともWi-Fi6に対応させる必要があります。

項目注意事項
1.速度について・5GHz帯のみで、9.6Gbpsの速さが適応される。(2.4GHzは低速)
・親機と端末で両方Wi-Fi6に対応している必要がある。
(※未対応でも使用はできるが最大限の効果は得られない)
2. 省エネ機能について・親機と端末で両方Wi-Fi6に対応している必要がある。
3.セキュリティについて・親機と端末で両方Wi-Fi6に対応している必要がある。
(※未対応でも使用はできるが最新の暗号方式は使用できない)

 

<接続範囲が広がるわけではない>

「速度が速い」ということと「電波が強い」という意味をごちゃごちゃにしてはいけません。

 

電波法では、出力上限が決められているので「電波を延ばす工夫」は出来ても、「電波を強く」することは出来ません。

よってWi-Fi6対応の無線ルーターにしたからと言って「これで部屋まで届くようになる」というわけではありませんのでご注意を。

 

接続範囲を広げたい場合には「メッシュネットワーク」の対策が有効となります。

 

まとめ

Wi-Fi6の主な特徴
通信速度が向上している
通信効率が良い
同時に送受信ができる
省エネ機能が優れている
セキュリティが強化されている
Wi-Fi6の落とし穴
Wi-Fi6対応モデルを使用すること
接続範囲が広がるわけではない

 

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Wi-Fiは電波が不安定だったり、つながらなくなるという症状がおきることがあります。
下記に不安定な時の対応方法をまとめていますので、ご覧ください。

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